賃貸の人気設備12選|空室対策と家賃アップにつながる選び方

賃貸物件の空室対策に関連する宅配ボックス、モニター付きインターホン、Wi-Fiルーターを備えた室内

住む人の気持ちを考えて空室を満室経営へ導く、(一社)空室対策協会代表理事・空室対策コンサルタントの山岸加奈です。

今日は、賃貸の人気設備についてお話しします。

突然ですが、あなたは空室を埋めるために、いくらまでなら設備投資ができますか? 10万円? 50万円? それとも100万円以上でしょうか。

実は、以前ご紹介した静岡県の大家さんの中に、家賃4万円の1DKに380万円ものリフォーム費用をかけた方がいらっしゃいました。フルリノベーションに300万円、インテリアコーディネートに80万円。完成したお部屋は、とても素敵だったそうです。

ところが……。

380万円をかけても、家賃は4万円のままだったんです。

驚きませんか? 大きな費用をかければ、その分家賃も上げられると思ってしまいますよね。でも、賃貸経営はそう簡単ではないんです。

今はインターネットで調べれば、宅配ボックス、TVモニターホン、高速インターネット無料など、人気設備のランキングがたくさん出てきます。でも、ランキング上位の設備を次々と付けたからといって、必ず入居が決まるわけではありません。

大切なのは、誰が住むお部屋なのか、近隣の競合物件には何があるのか、今の家賃帯で何が求められているのかを知ることです。ここが分かると、設備投資の優先順位も変わってきます。

今回は、2025年から2026年に公表された人気設備の調査を参考に、空室対策や家賃アップにつながる設備12選と、失敗しない選び方をお伝えします。あなたの物件に何が必要なのか、一緒に考えていきましょう!

この記事のポイント
✔︎ 今、賃貸で注目されている人気設備12選
✔︎ 空室対策と家賃アップで設備の役割が違う理由
✔︎ 設備投資で失敗しないための判断ポイント
✔︎ 自分の物件に必要な設備を見つける具体的な手順

目次

人気設備を入れても空室が埋まらない理由

「宅配ボックスを付けた方がいいですか?」「インターネットを無料にしたら家賃を上げられますか?」

大家さんから、こんなご相談をいただくことがあります。もちろん、どちらも入居者に喜ばれる可能性がある設備です。でも、私はすぐに「付けましょう!」とは言いません。

その理由を、私自身の経験も交えながらお話ししますね。

空室対策としてベッドや家具、照明を配置しモデルルーム風に演出した賃貸物件の室内

設備にお金をかけるだけでは決まらない

冒頭でご紹介した、家賃4万円の1DKに380万円をかけた大家さん。リフォーム業者さんやインテリアコーディネーターさんの提案をもとに、素敵なお部屋を完成させました。

ところが、家賃は変わらないまま。私が特に気になったのは、リフォーム費用と家賃収入のバランス、そして入居募集までを考えた計画が十分ではなかったことです。

これは、リフォーム業者さんが悪いというお話ではありません。建築やインテリアの専門家は、素敵なお部屋をつくるプロです。一方、空室を埋めて賃貸経営の収益を改善するには、また違った視点が必要になります。

私自身も新米大家だった頃、リフォームの専門家に相談して、素敵なお部屋を提案していただいた経験があります。でも、それだけでは空室が埋まらなかったんです。

だからこそ、大家さんには同じ遠回りをしてほしくないと思っています。

高額なリフォームを決める前に、「この設備を付けることで、誰が住みたいと思うのか?」「家賃はいくらにできそうなのか?」を考えてみてください。

詳しい経緯は、私のブログ「リフォーム380万費用でも1DK家賃変わらずって(驚)」でもお話ししています。

同じ設備でも入居者によって価値が違う

例えば、都心で働く30代の一人暮らしの女性を想像してみてください。朝は忙しく出勤して、帰宅するのは夜8時頃。休日にはインターネットで買い物を楽しむ方です。

そんな方なら、不在時に荷物を受け取れる宅配ボックスは便利でしょう。再配達を頼む必要もなく、自分の好きな時間に受け取れるのはうれしいですよね。

では、郊外で車通勤をしている40代のご夫婦ならどうでしょう。宅配ボックスよりも、駐車場が2台分あることや、荷物をたっぷり収納できるスペースの方が魅力的かもしれません。

これは分かりやすくするための例ですが、同じ設備でも「ぜひ欲しい!」という人もいれば、「あれば便利かな」という人もいるわけです。

ここを考えずに設備を増やしてしまうと、お金をかけたのに、なかなか入居が決まらないことがあります。

私もリフォームだけでは埋まらなかった

私が父から札幌市白石区の物件を引き継いだのは、2012年のことです。空室率の高い激戦区にある築古物件で、補助金や借入れを活用しながら大規模修繕やリフォームを行いました。

ところが、そこまでやっても内見者がなかなか来ない。「こんなにお金をかけたのに、どうして?」と、当時の私は空室を埋める難しさを痛感していました。

そこから試行錯誤する中で気づいたのが、「誰が住むお部屋なのか」を具体的に考える大切さだったんです。

住む人の年齢や生活スタイル、どんな毎日を送りたいのかを想像し、その人が喜んでくれるお部屋を考える。その考え方を取り入れたことで、3年以上空室だった2DKの4室を満室にすることができました。

この経験が、今の私の空室対策の原点になっています。

設備を選ぶ前に考えてほしいこと

「何を付ければ人気が出るか?」ではなく、「ここに住む人は、どんな毎日を送りたいのか?」から考えてみましょう。

住む人の暮らしが見えてくると、本当に必要な設備も見えてきますよ。

空室対策に役立つ賃貸住宅の設備例としてWi-Fi、宅配ボックス、モニター付きインターホン、エアコン、温水洗浄便座、収納を紹介した画像

空室対策に役立つ賃貸の人気設備12選

では、実際にどんな設備が人気なのでしょうか。

全国賃貸住宅新聞が2025年10月に発表した「入居者に人気の設備ランキング2025」の家賃アップ編では、単身者向けの1位が「高速インターネット(1Gbps以上)無料」でした。

また、アットホームが2026年3月に発表した新社会人の一人暮らしにおすすめの設備調査では、1位が宅配ボックス、2位がモニタ付きインターホン、3位がインターネット接続料無料となっています。

(出典:全国賃貸住宅新聞「入居者に人気の設備ランキング2025」、アットホーム「新社会人の一人暮らしにおすすめの条件・設備」)

ここで知っておいていただきたいのは、2つの調査は対象や質問内容が違うということです。また、人気があることと、設置すれば家賃を上げられることも同じではありません。

そこで今回は、ランキングの順位をそのまま並べるのではなく、空室対策の現場で検討したい12の設備を取り上げます。あなたの物件と照らし合わせながら読んでみてくださいね。

設備向いている入居者主なメリット
高速インターネット無料単身者・在宅勤務者通信費や手続きの負担軽減
宅配ボックス単身者・共働き世帯不在時の荷物受け取り
TVモニターホン単身者・女性・学生来訪者を確認できる安心感
エアコン幅広い入居者室内の快適性
温水洗浄便座幅広い入居者トイレの快適性
バス・トイレ別単身者・カップル水回りの使いやすさ
独立洗面台単身者・カップル身支度や収納の便利さ
室内洗濯機置場幅広い入居者洗濯時の負担軽減
防犯カメラ・オートロック女性・学生・家族防犯面の安心感
浴室乾燥機単身者・共働き世帯天候に左右されない洗濯
収納設備家族・カップル居室を広く使える
キッチン設備自炊する単身者・家族料理や片付けのしやすさ

高速インターネット無料

単身者向けの賃貸では、インターネット環境は重要な比較ポイントになっています。ただし、最近は「インターネット無料」と書いてあるだけでは、十分な魅力にならない場合もあるんです。

例えば、在宅勤務でオンライン会議をする方や、動画配信、オンラインゲームを楽しむ方なら、通信速度や安定性も気になりますよね。全国賃貸住宅新聞の調査でも、高速インターネット無料が付加価値設備として注目されています。

ただし、導入時には工事費だけでなく、毎月の利用料や回線品質も確認しましょう。入居者さんが夜に利用する時間帯でも快適に使えるかなど、実際の暮らしを考えて選ぶことが大切です。

宅配ボックス

宅配ボックスは、単身者や共働き世帯に人気の設備です。仕事で帰宅が遅くなっても荷物を受け取れるので、忙しい人にとっては便利ですよね。

ただし、私は宅配ボックスを付ける前に、必ず近隣の競合物件を確認してほしいと思っています。周辺の同じ家賃帯の物件にほとんど付いているなら、それは「特別な設備」ではなく、比較される際の基本条件になっている可能性があるからです。

また、設置場所や台数、荷物が長期間入ったままになった場合の対応など、管理面も考える必要があります。付けたあとのことまで想像しておきましょう。

TVモニターホン

築古物件で設備を見直すとき、比較的検討しやすいのがTVモニターホンです。来訪者の顔を確認してからドアを開けられることは、女性の一人暮らしや学生さんにとって安心材料になります。

ただ、ここで気をつけたいことがあります。TVモニターホンを新しくしても、共用廊下が暗かったり、玄関まわりが汚れていたりすると、建物全体の印象はなかなか変わりません。

防犯設備を考えるときは、建物に入った瞬間から「ここなら安心して暮らせそう」と感じてもらえるかどうかも見てくださいね。

エアコン

エアコンは、物件によっては人気設備というより、入居者が当然あるものとして探す設備になっています。特に暑い時期に内見したとき、エアコンがないお部屋だったらどうでしょう。入居希望者は、購入費用や取り付けの手間まで考えるかもしれません。

また、古いエアコンが付いている場合も、動作だけでなく年式や見た目、臭いなどを確認しましょう。新品に交換するなら、募集写真でも新しさが伝わるようにしておくといいですね。

温水洗浄便座

温水洗浄便座は、大規模な間取り変更に比べると導入しやすい設備の一つです。築古物件では、水回りの古さが気になる入居希望者もいるので、交換を検討する価値があります。

でも、便座だけ新しくすればいいわけではありません。床が変色していたり、壁紙に汚れが残っていたり、照明が暗かったりすると、せっかくの新品設備も魅力が伝わりにくくなります。

トイレは小さな空間だからこそ、全体の印象が大切です。設備交換と一緒に、清掃や内装も見直してみてください。

バス・トイレ別

単身者向けの賃貸では、バス・トイレ別を希望する方もいます。検索条件に入れる人もいるため、競合物件との違いになる場合があります。

ただし、ここは慎重に考えてほしい設備です。ユニットバスを分離するには大きな工事が必要になることがあり、物件によっては構造上難しい場合もあります。

例えば、家賃3万円台のお部屋に高額な工事費をかけた場合、その費用を回収するには何年かかるでしょうか。バス・トイレが一緒であることが本当に空室の原因なのか、まず確認してから判断しましょう。

独立洗面台

独立洗面台は、毎日の身支度を便利にしてくれる設備です。朝、顔を洗って髪を整え、歯ブラシや化粧品を収納する。そんな生活をイメージすると、独立洗面台の便利さが分かりますよね。

特に、カップル向けや広めの単身者向け物件では、比較材料になることがあります。ただし、狭い間取りに無理に設置すると、かえって生活スペースが窮屈になる場合もあるんです。

独立洗面台があることだけを優先せず、実際に住んだときの動きやすさまで考えてみましょう。

室内洗濯機置場

築古アパートでは、洗濯機置場がベランダや屋外にある物件もあります。冬の寒い日に外へ出て洗濯をする。雨の日に濡れながら洗濯機を操作する。そんな暮らしを想像すると、室内に置けることの良さが分かります。

ただし、室内洗濯機置場を新しくつくるには、給排水や防水、設置スペースなどの確認が必要です。工事費が大きくなる場合は、家賃帯や競合との違いを見て判断しましょう。

防犯カメラ・オートロック

防犯設備も、単身者や女性、学生さんのいるご家庭が気にするポイントです。オートロックは安心感につながる設備ですが、既存の建物では新設に大きな費用がかかる場合もあります。

そんなときは、防犯カメラやセンサーライト、共用部の照明など、できるところから考える方法もあります。建物の入口や廊下が暗くないか、見通しの悪い場所がないかも確認してみてください。

防犯設備を付けることだけでなく、入居者さんが安心して帰宅できる環境を考えることが大切です。

浴室乾燥機

仕事で帰宅が遅い人にとって、洗濯は意外と大きな負担です。夜に洗濯したいけれど、外には干せない。そんな方なら、浴室乾燥機に魅力を感じるでしょう。

ただし、導入費用が高くなる場合は、他の設備との比較も必要です。例えば、同じ予算で宅配ボックスとTVモニターホンを導入できるなら、どちらの方がターゲットとなる入居者に喜ばれるでしょうか。

設備一つだけを見るのではなく、予算全体で考えてみてくださいね。

収納設備

収納は、設備ランキングでは目立ちにくいかもしれません。でも、実際に暮らしてみると、とても大切な場所なんです。

玄関に靴が入りきらない、洗面所にタオルを置く場所がない、掃除機をしまう場所がない。こうした小さな不便が、毎日の生活では気になるものです。

特にファミリー向けの物件なら、家族の荷物がどれくらいあるかを想像してみてください。可動棚や壁面収納など、比較的少ない費用でも使い勝手を変えられる場所があるかもしれません。

キッチン設備

キッチンも、住む人によって求めるものが違います。外食中心の単身者なら、コンパクトなキッチンでも十分かもしれません。一方、自炊が好きな方なら、2口コンロや調理スペース、収納の広さが重要になるでしょう。

ここでお伝えしたいのは、新しいキッチンに交換することだけが改善ではないということです。

水栓を交換する、手元を明るくする、扉の取っ手を変える。そんな工夫でも、使いやすさや見た目が変わることがあります。

高級な設備を付ける前に、ここに住む人がどんな料理をして、どんな時間を過ごすのかを想像してみましょう。

家賃アップできる設備の見極め方

ここまで12個の設備をご紹介しました。では、この中で「家賃が上がる設備」はどれでしょうか。

実は、この質問には一つの答えがありません。なぜなら、同じ設備でも、物件の立地や家賃帯、競合の状況によって価値が変わるからです。

人気設備を付けることと、家賃を上げられることは別のお話。ここからは、大家さんにぜひ知っておいてほしい費用対効果についてお伝えします。

人気設備が家賃アップを保証しない

例えば、家賃5万円の物件が並ぶエリアで、ほとんどの物件にTVモニターホンが付いていたとします。そこへあなたの物件にも同じ設備を付けたら、家賃を5,000円上げられるでしょうか。

残念ながら、そう簡単にはいかないと思います。周辺物件にすでにある設備なら、入居希望者から見ると「普通」だからです。

一方、同じ家賃帯で宅配ボックス付きの物件が少なければ、比較したときの魅力になる可能性があります。もちろん、それだけで家賃を上げられるとは限りませんが、入居者がその設備に価値を感じるなら、家賃設定を検討する材料になります。

だからこそ、私は設備を選ぶ前に競合物件を見ます。あなたの物件と似た条件の募集物件を並べてみると、どんな設備が当たり前で、何が付加価値になるのかが見えてきますよ。

設備投資の回収期間を計算する

ここで、ちょっと数字の話をしましょう。

例えば、設備投資に12万円かけて、家賃を月3,000円上げられたとします。1年間で増える家賃収入は36,000円なので、単純計算では約3年4か月で投資額を回収することになります。

ただし、これは空室期間や維持費、故障時の修繕費などを考慮していない計算です。実際の賃貸経営では、家賃を上げたことで問い合わせが減る可能性もあるため、周辺の家賃相場と合わせて判断する必要があります。

一方、家賃を上げなくても、空室期間を短くできれば収益が改善することがあります。

例えば、家賃5万円の物件で空室期間を2か月短縮できれば、その2か月分にあたる10万円の家賃収入を得られる計算になります。もちろん、設備を付ければ必ず空室期間が短くなるという意味ではありません。

でも、ここで気づいてほしいことがあります。

設備投資の効果は、家賃をいくら上げられるかだけでは測れないんです。

入居が決まるまでの時間や、入居後に長く住んでもらえるかどうかも、大家さんの収益に関わってきます。

設備投資で考えたい3つのお金

  • 設備の導入や維持にいくらかかるのか
  • 家賃アップにつながる可能性があるのか
  • 空室期間の短縮や長期入居につながりそうか

この3つを一緒に考えると、どの設備から投資すべきか判断しやすくなります。

家賃を上げる前に物件の魅力を見直す

私が2026年9月にブログでご紹介した福井県でのコンサルティングでも、家賃4.5万円の物件について考える機会がありました。

多くの大家さんは、現在の家賃が4.5万円なら「この物件は4.5万円で貸すもの」と考えがちです。でも、本当にそうでしょうか。

例えば、募集写真が暗い、物件紹介の文章に魅力がない、設備が少し古い、ターゲットとなる入居者が曖昧になっている。そんな部分を改善することで、仮に家賃を5万円にできたらどうでしょう。

月5,000円の違いでも、年間なら6万円。10年間なら60万円です。もちろん、これは増額後の家賃で継続して入居してもらえた場合の単純計算で、実際に値上げできたという実績ではありません。

大切なのは、今の家賃だけを見て判断せず、物件にまだ伸びしろがあるかを考えることです。設備だけでなく、募集方法や写真の見せ方まで含めて考えると、改善できる部分が見つかるかもしれません。

詳しくは、「家賃アップの秘訣を知れば物件購入の強みになる」でもお話ししています。

賃貸の人気設備を見直して空室対策と家賃収入の改善を目指すイメージ
設備投資は家賃アップだけでなく、空室期間や費用の回収も考えて判断しましょう。

築古物件は高額な設備投資が必要?

築古物件を所有する大家さんの中には、「古いから、大きなリフォームをしなければ入居が決まらない」と考える方もいらっしゃいます。

でも、私は必ずしもそうだとは思っていません。古いお部屋にも、その物件ならではの魅力があります。そして、住む人の気持ちを考えることで、設備を増やす以外の方法が見つかることもあるんです。

追い焚きを付けずに申し込みが入った事例

以前、私がご紹介した川崎の2DK物件のお話をしますね。

この物件では、近隣の不動産業者さんから「追い焚き設備を付けないと入居付けが難しい」と言われていました。100万円から300万円ものリフォーム費用をかけるべきか、大家さんは迷っていらっしゃいました。

そこで私が考えたのは、まず現状を知り、どんな人に住んでほしいのかを決めることでした。

想定したのは、子どものいない2人暮らしや単身者。追い焚き設備を新しく付けるのではなく、壁紙を部分的に変えたり、アイアンの棚を造作したり、丸テーブルと椅子でカフェを楽しめるスペースをつくったりしました。

不動産業者さんから人気がないと言われていた和室も、そのまま生かしました。

そして、工事期間はたったの2日。完成した当日に2組の内見があり、申し込みにつながったんです。

もちろん、すべての物件で同じ結果になるわけではありません。でも、この事例から分かるのは、高額な設備を付けることだけが空室対策ではないということです。

少ない費用でも印象を変えられる

例えば、古い照明を交換してお部屋を明るくする。玄関に棚を付けて収納を増やす。壁紙の一部を変えて、お部屋に特徴をつくる。

こうした小さな工夫でも、入居希望者が受ける印象は変わることがあります。

特に築古物件では、清潔感がとても大切です。いくら人気設備が付いていても、玄関が汚れていたり、共用廊下が暗かったりすれば、「ここに住みたい」という気持ちにはなりにくいですよね。

「入居者に選ばれる5つの理由はこれです!」でも、清潔感、安心感、暮らしやすさ、第一印象、ワクワク感についてお話ししています。

設備を新しくする前に、今のお部屋にどんな魅力があるのか、どこを変えればもっと暮らしやすくなるのかを考えてみてください。

空室対策として家具やクッションを配置し、入居後の暮らしをイメージしやすくした賃貸住宅のリビング
設備を増やすだけでなく、暮らしを想像できるお部屋づくりも空室対策の一つです。

自分の物件に必要な設備を見つける手順

ここまで読んでくださった大家さんは、人気設備を全部付ける必要がないことが、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。

では、実際に何から始めたらいいのか。私は、設備を選ぶ前に次の3つを確認してほしいと思っています。

まずは空室の現状を確認する

今の空室は、いつから募集していますか? これまで何件の問い合わせがあり、何組が内見しましたか? 内見した方は、なぜ申し込みをしなかったのでしょう。

もし分からなければ、管理会社さんに確認してみてください。設備が古いと言われた場合も、「具体的にどの設備が気になったのか」「同じ意見が何件あったのか」まで聞いてみるといいでしょう。

例えば、問い合わせそのものが少ない場合は、設備より先に募集写真や家賃設定、物件情報の掲載状況を見直す必要があるかもしれません。

一方、内見には来てもらえるのに申し込みが入らないなら、室内の状態や設備、価格とのバランスが原因になっている可能性があります。

入居希望者がどの段階で離れてしまっているのか。ここを知ることが、無駄な設備投資を減らす第一歩です。

次に住んでほしい人を決める

現状が分かったら、次は住んでほしい人を具体的に考えます。

例えば、駅から徒歩15分の築30年の2DK。あなたなら、どんな人に住んでほしいと思いますか? 家賃を抑えたい単身者でしょうか。それとも、荷物の多いカップルや小さなお子さんのいるご家族でしょうか。

もし荷物の多いカップルなら、収納スペースが大切になりそうです。一人暮らしの社会人なら、インターネットや宅配ボックスなどの便利さを重視するかもしれません。

さらに、休日はどんなふうに過ごすのか、料理をするのが好きなのか、家でゆっくり映画を見るのが好きなのか。そんなことを考えてみてください。

私は、この時間がとても好きなんです。

住む人の暮らしを想像していると、「ここに棚があったら便利かな」「この照明なら、帰ってきたときにホッとできるかな」と、いろいろなアイデアが浮かんできます。

すべての人に好かれるお部屋を目指す必要はありません。「このお部屋、私にぴったり!」と思ってくれる人に出会えるお部屋を考えていきましょう。

競合と比較して投資の順番を決める

住んでほしい人が見えてきたら、次は近隣の競合物件を確認します。

できれば、家賃、間取り、築年数、広さが近い募集物件を10件ほど比較してみてください。エアコンやTVモニターホン、宅配ボックス、インターネット無料など、どんな設備が付いているでしょうか。

ここで、あなたの物件に不足しているものが見えてきます。ただし、設備だけでなく、駅までの距離や駐車場、初期費用、募集写真も忘れずに確認しましょう。

そして、改善できる部分が見つかったら、少ない予算で取り組めるところから検討していきます。最初から100万円のリフォームをするのではなく、設備交換や清掃、募集写真の改善など、今できることがないかを考えるんです。

設備の見積書が届いたら、すぐに工事を決める前に「この設備を付けることで、誰が喜ぶのかな?」と考えてみてください。答えが浮かばない設備は、今すぐ必要ではないのかもしれませんよ。

もちろん、安全面や生活に支障がある設備の不具合は、優先して修繕する必要があります。また、工事費は物件の構造や設備の状態によって大きく変わるため、正確な費用や施工の可否は専門業者に確認してください。

大切なのは、安ければ何でもいいということではありません。必要なところにはお金をかけ、必要のないところにはかけない。その見極めが、賃貸経営ではとても大切なんです。

賃貸の人気設備に関するよくある質問

最後に、設備投資を考える大家さんからよく聞かれる疑問についてお答えします。

賃貸の人気設備に関するよくある質問(FAQ)

空室対策では、最初にどの設備を付けるべきですか?

物件の条件によって違います。例えば、単身者向けでTVモニターホンや温水洗浄便座が競合より不足しているなら、候補になるでしょう。ただし、問い合わせが来ない原因が募集写真や家賃にある場合は、設備より先にそちらを改善する方がよいこともあります。

宅配ボックスを付けると家賃アップできますか?

宅配ボックスは人気のある設備ですが、設置しただけで家賃アップできるとは限りません。周辺の同程度の物件にどれくらい普及しているかが重要です。競合との差や入居者像を見ながら考えましょう。

築30年以上でも設備を変えれば空室は埋まりますか?

築古物件でも改善できる可能性はあります。ただし、設備だけが原因とは限りません。私は築古物件だからこそ、住む人の暮らしをイメージして、間取りや内装、募集の見せ方まで考えることをおすすめしています。

温水洗浄便座やTVモニターホンでも効果はありますか?

比較的導入を検討しやすい設備です。特に競合物件に付いていて、自分の物件にはない場合、比較条件を改善できる可能性があります。ただし、設備だけに頼らず、室内全体の印象や募集状況も確認してください。

家賃アップには高額な設備の方が有利ですか?

高額な設備が必ずしも有利とは限りません。まず、入居希望者が何を求めているか、周辺物件とどんな違いがあるかを確認してください。導入費用と想定家賃、維持費や空室期間を比較し、最終的には施工会社や管理会社、空室対策の専門家にも相談して判断しましょう。

まとめ|人気設備より大切なこと

今回は、賃貸の人気設備12選と、空室対策や家賃アップにつなげる選び方についてお話ししました。

ここまで読んでくださったあなたに、最後に一つ質問です。

今、あなたが所有している空室は、どんな人に「ここに住みたい!」と思ってもらえるお部屋でしょうか。

もし、すぐに答えが浮かばなかったとしても大丈夫です。そこを考えることが、これからの空室対策の第一歩になります。

私はこれまで、築古物件や空室率の高い地域でも、住む人の暮らしを考えることで満室につながった経験を重ねてきました。だからこそ、大家さんには人気設備のランキングだけを見て、高額なリフォームを決めてほしくないんです。

設備は、たくさん付ければいいわけではありません。入居者さんが喜ぶ設備を、必要な場所に、必要な分だけ取り入れる。そして、その魅力を入居希望者にきちんと伝えることが大切です。

「うちの物件は、何から始めればいいんだろう?」

そんな大家さんに向けて、私は空室対策の考え方や、入居者さんに選ばれるお部屋づくりのヒントをメルマガでもお伝えしています。

空室対策をもっと学びたい大家さんへ

人気設備の導入やリフォームにお金をかける前に、知っておいてほしいことがあります。

空室が埋まらない原因の見つけ方、住む人の気持ちを考えたお部屋づくり、家賃を下げる前にできる工夫など、賃貸経営に役立つヒントをお届けしています。

まずは、あなたの物件でできることから始めてみませんか?

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